社会人に絶対に必要な能力・スキルの5つとは一体何か?

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日本企業で求められる仕事の能力は大学時代の専攻と関係ない

日本企業で働くサラリーマンで、キャリアを積んで10年、20年とたっているような方に、ひとつ質問をしてみるとだいたい同じ回答が返ってきます。

その質問は、

「大学時代に学んだこと(専攻したこと)が、会社に入って役立っていますか?」

そして、その回答は、ほぼ100%

「いやあ、経済学を専攻していたけど、実務にあまり関係なかった」

とか

「教育学を学んだけど営業には役立たずかな」

などといったように否定的なものばかりでしょう。

かくいう自分も、大学時代に専攻した内容と実際に就職した会社の業務はまったくリンクしておらず、役に立っているかというとそうでもありません。

毎年、100万人近くの新社会人が日本企業に入るわけですが、仕事を始めて「こんな仕事は大学で勉強したことと何が関係あるのだろう」とか「大学や高校に行っても行かなくてもあまり関係ないんじゃかろうか」と悩む若者も多いのではないかと推測されます。

私も、常々、日本の大学の存在意義をいろいろ考えてみたのですが、あくまでも、学問を追求する場ですから、就職予備校のような存在であってはならないと思います。

とはいうものの、はっきり言って、「専攻内容」は就職後の仕事にリンクした能力を獲得する話とは全く別物でして、今の大学生に「なんのために学ぶのか?」といった目的を分かりやすくしっかり伝えないといけませんね。

とんちんかんな経済産業省の施策

新社会人になって求められる能力は、経済産業省でも、「社会人基礎力」なるものを定義して、若者向けにアピールしていますが、はっきり言って官僚が机上の空論で考えたであろう代物です。

少し引用してみます。

「社会人基礎力」とは、「前に踏み出す力」、「考え抜く力」、「チームで働く力」の3つの能力(12の能力要素)から構成されており、「職場や地域社会で多様な人々と仕事をしていくために必要な基礎的な力」として、経済産業省が2006年から提唱しています。企業や若者を取り巻く環境変化により、「基礎学力」「専門知識」に加え、それらをうまく活用していくための「社会人基礎力」を意識的に育成していくことが今まで以上に重要となってきています。
(経済産業省ホームページより)

「基礎学力」は、1、2年生で学ぶような一般教養的な科目ですね。

でもまあ、高校時代に基礎学力というものは確立された状態で大学に入っているでしょう。

そして、「専門知識」というのは、大学の専攻といってよいでしょう。

経済学部であれば、経済理論を極める。

法学部であれば、法律の知識を深める。

教育学部であれば、教育学の知見を増やす。

といったようにですね、専門知識を学べるのはある意味、大学だけです。

一方で、社会人基礎力というのは、眉唾物です。

「前に踏み出す力」、「考え抜く力」、「チームで働く力」どれをとっても、抽象的すぎて何を言っているのかよくわかりません(笑)。

「前に踏み出す力」は、「主体性」「働きかけ力」「実行力」
「考え抜く力」は、「課題発見力」「計画力」「創造力」
「チームで働く力」は、「発信力」「傾聴力」「柔軟性」「情況把握力」「規律性」「ストレスコントロール力」

霞が関の小役人が考えだしそう項目ばかりですが、どうすれば上記のような能力・スキルが手に入るのか。

そして、高校、大学では一体何をどう教えれば、学生が社会人としてやっていけるように育てられるのか。

そもそも、上記のような能力は数値化することができませんので、就活する際に大学生が悩むことになります。

「主体性」なんて偏差値とか出せませんし。

ですが、就活で内定を連発するような就活生にはある程度一定の能力があることはなんとなく薄々分かります。

それが一体なんなのか。

社会人に絶対に必要な能力・スキルのとは一体何なのか、そして、それが正しく理解できれば、就職対策で悩む大学生も心置きなく学問に打ち込めるのではないでしょうか。

少なくとも、社会人基礎力は、一部、的を得たものもあるのですが、具体的にどうすれば、社会人に絶対に必要な能力・スキルを獲得できるのかわかりやすく説明したものは、経済産業省ホームページにはありません。

社会人に絶対に必要な能力・スキル5つ

前置きがかなり長くなりましたが、私の20年の社会人生活と雇用ジャーナリストの海老原嗣生氏の著作も活用しながら考えていきたいと思います。

まずは、社会人に絶対に必要な能力・スキルは次の5つです。

(1)忍耐力・継続力

新社会人になって最初に面食らうのが、ハンパない仕事量でした。

今ですと、電通の新入女性社員の長時間労働問題がクローズアップされ、残業は悪みたいな風潮がありますが、20年前は残業ありきで、終電も当たり前の世界でした。

今もそういう会社さんは多いと思いますけど。

新入社員ですから、難案件はないものの、単調作業が必要な簡単なタスクを大量に抱え込むことになります。

雑用もいっぱいありますしね。

そこで、「こんな仕事やるために就職したんじゃない。もっと俺は大きなことをやりたいんだ」と腐ってしまう新入社員も多いわけでして、それは日本企業の育成方針なので仕方がありません。

入社してすぐは、比較的単調作業が多く、そこで、我慢して残業に耐えられるか。

すなわち、ひとつのことに執着してこなしつづける、取り組み続ける忍耐力・継続力があるかどうか。

これが1番目の大事な能力・スキルです。

これは、中堅社員になってからも、また、管理職になってからも本当に必要とされる能力で、ある程度難しく頭を悩まして様々な関係部署と調整が必要となるような気が滅入るタスクでも、放り投げずにあきらめずに取り組めるかどうか。

執着してひとつの問題の解決のために汗をかき続けられるか。

これがないと上司も評価しません。

ですので、新社会人で、単調作業をこなす時代こそ、この忍耐力・継続力があるのか試されるわけです。

(2)思考力(ロジック構成能力)

ある程度仕事を任せてもらうようになると、今度は、上司との議論する場面が増えていきます。

とにかく、ひとつひとつの事柄にいろいろ注文がついて、ひとつの案件をこなすのに、ひいひい言いながら残業したものです。

その際の上司の厳しい指導は今も良い思い出ですが。

とにかく、ロジックが大事でして、ひとつの案件について上司に上げると

「この数字で目標を上げる根拠は?」
「経緯が書かれているけど、1つの文で5行はながいから、せめて3行にして」
「ここにこういった記述があるけど、ソース(情報源)は何?まさかヤフーの掲示板じゃないよね。」
「これと似たような業務の前例はあるの?」
「関係部署との調整はしているの?する必要がないなら、その理由は何」
「これ説明文書って、フォントが10.5だけど、12にしないのはどうして?」
「役員には報告するには、いつまでに決裁取っとけばいいの?」
「この結論は、何でこうなったの?前、部長が言っていたのと違う方針だけど説明して」

といったように激詰めがなされます。

きちんとした会社であれば、上記のようなやりとりを経て、上司に何度も赤ペンをいれていただいて、ようやく案件の方針が固まっていくものです。

ひとつの案件、事案について起案する。

上司に見てもらう。

必要であれば、関係各所と調整を行う。

経営層に諮る。(案件によっては、部長クラスの判断でも確定)

承認され、物事が動き出す。

日本企業では、このようなプロセスを経て、物事が決まっていきます。

この過程で、上司との激しいバトルがありますが、その中で大事なのが、思考力(ロジック構成能力)です。

究極的に言ってしまえば

「なんでそうするつもりなの?」

を自分自身に問い続けるの能力です。

会社では、論理的に考える力が絶対必要ですが、いわゆるロジカルシンキングを実際の業務で実践できるかどうか。

ロジカルシンキングには、ロジックツリーだとか、フレームワークだとかいろいろな手法、方法が存在しますが、実際の会社の業務においては、そんなものは必要ありません。

そんなことよりも、上司から「なんで?」と聞かれたときに「これこれこうだから」と回答できるような理屈を考え抜くことが必要で、フレームワークなんか作っている時間はないからです。

上司からきかれそうなポイント、すなわち「ここはなんでこうなの?」に対する回答を練り上げることが大事でして、上司によって傾向やクセがあり、ツリーだとか関係ないのです。

まずは、「なんでこの数値目標なのか?」「なんでこの対応方針なのか?」「なんでこういう事象なのか?」といった「なんで?」を自分自身に問いかける力が社会人には求められる。

だいたいこの能力がもともとある人は、就活も苦労しないはずです。

面接官の質問にだいたいロジック(理屈)で勝負できる力があるわけでして、それが正解だろう間違いだろうが面接結果にはあまり関係ないから内定が出やすいのです。

(3)説明力(話す、聞く)

社会人になると、人に説明する場面が多いです。

「(2)思考力(ロジック構成能力)」をもとに作ったペーパー(今ですと、パワーポイントが主流なのでしょうけど)を上司に、そして、関係部署へ説明する場面が出てきます。

この話す力、説明力というのは、社内で自分の案件を自分で思うように進めていくためには大事な能力・スキルです。

日常生活では、この説明力がなくても生活はできるのですが、社会人ではそうもいきません。

とにかく準備した論理(ロジック)を周りの人間に理解させるには、理路整然とした説明が必要です。

適当に単語を並べて話されても「結局、何なんだ?」となってしまい、話が混沌とするだけです。

説明力(話す、聞く)は、プレゼンテーションや打合せ(ディベート)のような場面で絶対必要になりますので、スキルは上げておいた方が良いでしょう。

学生時代にディベート部にはいっていたりすると、自然に身につくかもしれませんが、そこまで徹底してやらなくても、自分で学ぶこともできます。

でも、社会人になってから苦労するよりも、高校、大学時代に身に着けたほうがよい能力・スキルですね。

(4)協調性(仲間とうまくやる)

4番目ですが、これは別に社会人としてはなく、学生でも必要ですよね。

ないと、仲間外れにされるとか、学校でも苦労するはずです。

家庭であれば、よき夫、よき妻、よき息子、娘として周りとうまくやらないといけませんから。

(5)社会適応力(マナー、ルールを守る)

5番目も、別に特別なことではなく、当たり前のように必要なことです。

朝、遅刻しない。

約束したことは守る。

清潔な身なりを心掛ける。

報告・連絡・相談はきちんと心掛ける。

などなどです。

社会人に絶対に必要な能力・スキル5つを身に着けるにはどうしたらよいか

さて、長々と述べてきましたが、この5つの能力があれば、そこそこの会社に就職できます。

5つの能力を持って就職活動すれば、周りの学生よりも抜きん出て見えますから。

実際に就職してみると分かりますが、今の新入社員で上記5つの能力に長けている社員はほとんどいません。

会社で鍛えられているということの方が断然に多いですね。

ただ、(4)協調性(仲間とうまくやる)、(5)社会適応力(マナー、ルールを守る)は、ある程度、身に着ける方法は普及しています。

例えば、上下関係の厳しい部活に入れば、そこそこ、協調性も社会適応力をできてきます。

大学のサークルにしっかり取り組むというのでも良いでしょう。

また、今ですと、アルバイトすれば、協調性も社会適応力も事前に学べますね。

どうやれば、周りと仕事をうまく進められるかをです。

一方、社会人に絶対必要な(1)~(3)は、自然体では身につくものではありません。

忍耐力、論理構成力、説明力の3つです。

実は、これって大学で簡単に身に着けられるんです。

どうすればよいのか。

それは、講義やゼミの厳しい教授のもとで学ぶことです。

厳しいといっても、アカハラをするような教授ではなく、会社の上司のように「ロジックで激詰め」してくれる教授を探すのですね。

自分が興味ある専攻が合致すればしめたものです。

授業に即して、毎回レポートを書かせるでしょう。

単に書けばよいというものではなく、論旨の乱れを突いて、また、日本語の文章も手直しする。

いわゆる「てにをは」や主語、述語の一致も厳しくチェックする。

的確な表現や論理を構築するよう赤ペンを入れる。

講義の場では、必ず、プレゼンテーション、ディベートによって、人前で説明をさせる。

そして、学生同士で評価し、意見を戦わせる。

期末には論文を提出させ、しっかり精読し、何度もダメ出しをして赤ペンをいれまくる。

そして、徹底的に「なんでそうなの?」の議論をしまくる。

このような授業を行ってくれる教授を探すのです。

すると卒業するまでに何が起きるか。

厳しい授業の繰り返しで、獲得が難しいとされる忍耐力、論理構成力、説明力の3つが自然に身についているはずです。

その大学生は就職後、企業側の無理難題に耐えながら、上司の激詰めに対抗でき、社会人生活の方が、はるかに「楽」に感じられるはずです。

今の大学はレジャーランド化が進んでいますが、だからこそ、簡単に周りの学生に差をつけるチャンスが転がっているとも言えます。

そして、大事なポイントは、上記(1)~(5)の社会人に絶対に必要な能力・スキルは、大学の専攻がなんであれ獲得することが可能なことです。

法律、政治、経済、経営、文学、教育、芸術などどんな専攻でも、教え方次第で対応できます。

考える専門家が大学教授なので、学生のレベルに合わせ、会社の上司のごとく、忍耐力、論理構成力、説明力を鍛える授業を展開できるはずなのです(できなければ教授失格)。

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