働き方改革が失敗して過労死が増える理由

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働き方改革とは名ばかりで意味をなさない理由

働き方改革が最近の流行語といっても良いほど、ニュースで良くみるような単語になりました。

その一方で、働き方改革を呪文のように唱える政治家の面々と実際の労働の現場には意識の乖離があるように見受けられます。

すくなくとも、自分が勤めている会社においては、しらけムードさえ漂っている感じです。

これは、働き方改革とは名ばかりで、ただ単に「早く帰りましょう」しか言わない経営層の認識の薄さが現場を混乱させてしまっているからです。

日本企業の仕事のあり方を根本的に見直さない限り、働き方改革とは名ばかりで意味をなさないし、逆にヤミ米ならぬ、ヤミ残業を増加させるだけです。

なぜ意味をなさないのかと言えば、「早く帰りましょう」と言って早く帰っても、仕事の量は一向に減らないからです。

自分の知り合いに自治体に勤める知り合いがいるのですが、20時までに帰らないと管理職の人事評価に悪影響を及ぼすそうです。

そうなると、仕事の量自体は減らないので何が起こるかと言うと、家に持ち帰って仕事をするそうです。

家に帰っても仕事三昧です。

結局、家に居ても気が休まらず、そのうち、仕事でうつになり、過労で亡くなるか、メンタルヘルスで退職に追い込まれるかのどちらかです。

日本の正社員は長時間労働しなければならない理由がある

日本企業の生涯の賃金カーブを見ていくと分かるのですが、大企業で大卒、院卒であれば、ゆくゆくは1000万をめざすことになります。

新規一括採用を採用している日本企業は、新入社員はすべて管理職候補ですから、50歳~60歳にかけて年収1000万をもらえるような境涯になります。

一方、日本の政治家やお役人様が崇拝しているEUにおいては、50歳~60歳にかけて年収1000万を目指せる社員は10数パーセントです。(即効マネジメント: 部下をコントロールする黄金原則 (ちくま新書) 新書 – 2016/5/9 海老原 嗣生 (著)に、EU(フランス)の例が細かく解説されています)

EU(フランス)では大卒だろうが、一般的な大学を卒業した場合、多くは20代後半で400万強の年収。

それが50代になっても520万程度です。

ヨーロッパでは全体でみれば一部のエリート層を除いて、みな、つましい生活を送っているのです。

それが日本では、大卒であれば、みんな管理職、年収1000万プレーヤーを目指すことになります。

つまり、新規一括採用で採用された日本の新入社員が、ゆくゆくは1000万を目指すような今の日本の労働環境を変えない限り、働き方改革は不可能です。

はっきり言ってしまえば、正社員の賃金を減らして、非正規雇用者に振り分けて、非正規雇用の賃金を正社員の6割から8割に引き上げる施策が必要です。

でも、どうでしょう。

そのようなことを労働組合が認めるのかどうか。

同一労働同一賃金については、労働組合も賛成ですが、それは正社員の賃金カーブを維持する前提です。

そんな虫のいい話はありません。

経済のパイ(企業における給料のパイ)は激増するわけでもないので、正社員の待遇を悪くすることでしか、同一労働同一賃金を実現する術はありません。

日本のサラリーマンにおいては、車で言うと、カローラから始まり、「いつかはクラウン」なんて言葉が流行ったものですが、そういう時代を終わらせることが、働き方改革、同一労働同一賃金ということです。

日本のサラリーマンが長時間労働に甘んじる理由は、「いつかはクラウン」「年収1000万」を信じているからです。

経営側も、それを保証するからこそ、長時間労働を強いている面もあります。

つまり、EUのほんの一部であるエリート層と日本の一般のサラリーマンは同じような労働環境に置かれているということです。

世界的で見ればエリート層だからこそ、日本のサラリーマンは長時間労働は当たり前ではないかという主張もありうべしです。

日本の働き方改革を阻害している真の理由

昨年、朝型勤務がダメな理由 時間外、逆に増える懸念という記事を書きましたが、今年の「ゆう活」は案の定、さんざんな結果だったようです。

日本の仕事の進め方を変えない限り、どうあっても仕事量は減りません。

池田信夫氏も言うように、日本の仕事の進め方は、数えきれない関係部署への根回しに労力を費やすスパゲティ構造のまま行われますから、仕事の高度化が進む現在、どう考えても仕事の量は増えこそすれ、減ることは絶対にありません。

ワンマン社長がいて、大号令のもと、働き方改革を実行することは可能でしょう。

でも、大企業、官公庁では、仕事のやり方は、稟議決裁がメインです。

自治体(県庁クラス)勤めの知り合いに聞く限り、仕事のやり方は変えない、でも早く帰れと上から言われる、なので、部下を力でねじ伏せようとするパワハラ上司もいるようです。

はたまた、仕事自体を別の部署に押し付けて、自分の部署はワークライフバランスを実現するという訳の分からない管理職も発生していると。

その点について、働き方改革の火付け役の小室淑恵氏や白河桃子氏はどこまで理解できているのか。

このままですと、

正社員のヤミ残業が増える ⇒ 過労死が増える

正社員の賃金は、同一労働同一賃金の原資を確保するため引き下げ ⇒ 社員のモチベーション低下 ⇒ 労働生産性低下

といった悪循環に陥りかねません。

もし、本当に働き方改革をするならば、単に呪文のように「早く帰れ」というのではなく、大企業における稟議決裁のようなスパゲティ構造を廃止し、真の意味で仕事自体を減らすしかありません。

それから、日本企業の特徴である新規一括採用を残しつつも、将来、管理職を目指さないキャリアルートを設けて、50代になっても年収500万に抑えるという企業の組織改革も必須です。

これにより、企業においても、非正規雇用の賃金引き上げの原資を確保できます。

働き方改革が大事だ、早く帰宅すればいいじゃないか、と主張するのは簡単であって、なぜ、日本のサラリーマンが長時間労働をせざる得ないのか、その背景や歴史までたどって議論しないと日本経済に百害あって一利なしです。

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