エルドアン大統領の野望はオスマン帝国の復活

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トルコのクーデターは鎮圧された

トルコのクーデターはもろくも鎮圧されました。

軍部が一枚岩でないこと、一般市民の指示を得られなかったことなど要因が挙げられます。

今回は、過去3回の事例とは明らかに様相が違います。

それは、軍部の政権に対する影響力が弱まっていることです。

鎮圧もかなりの短時間で終結したことがそのことを物語っています。

トルコのエルドアン大統領も鎮圧にかなりの自信をもっていたというか、クーデターが発生するのをあらかじめ予想していたかのごとくの対応でした。

なぜトルコではクーデターが繰り返されるのか

第一次世界大戦後、トルコはムスタファ・ケマルのもとで近代化を図っていきます。

ムスタファ・ケマルは、第一次大戦後、オスマン帝国は同盟国側で敗北したにも関わらず、トルコをセーブル条約から守ります。

セーブル条約は、トルコを分割し、植民地化する内容で、かつての清国で行われたように列強によって分割して利益をむさぼるという内容です。

これを天才的な才能で覆し、トルコ革命、トルコ共和国への実現へと導きます。

そこには、政教分離を基本とし、スルタン、カリフを廃止します。

ムスタファ・ケマルは元々はオスマン帝国の軍人出身でした。

そのため、トルコ軍部は政教分離といった共和国の理念に反する動きに敏感です。

その軍部がクーデターを起こしたということは、軍部の一部幹部が、エルドアン大統領がイスラム国家を目指している、すなわち、オスマン帝国を復活を目指していると判断したからに他なりません。

エルドアン大統領が目指すオスマン帝国復活への動き

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エルドアン大統領が今年、ドイツのメルケル首相と会談しています。

日経新聞によれば「ドイツのメルケル首相は23日、トルコのエルドアン大統領と会談し、トルコの民主主義の後退に「深い憂慮」を表明した。」とあります。

クルド人問題、難民問題で意見がぶつかっている状況です。

エルドアン大統領は経済成長のおかげで国民の信任は厚いのですが、やっていることはカリフ、スルタンになろうかのごとくの振舞いです。

・憲法を改正し、首相から大統領への権限の大幅委譲を目指す。

・死刑制度復活を目指している。

・大統領公邸は、総工費700億円、1,000室もの部屋。

・大学でのスカーフ解禁

・22時以降の酒類の販売の禁止

・100以上ものモスクの建設

・政府に批判的なテレビ局、新聞関係者20人以上の逮捕

このエルドアン大統領が恐れていたのが軍のクーデターであり、鎮圧に迅速に動けたのも、あらかじめ、対応を準備していたからと言えます。

軍隊が一枚岩でないことに、ムスタファ・ケマルの理念はトルコ共和国から無くなってしまっていることがうかがえます。

アメリカが今回のクーデターを支持しなかったのも、エルドアンがトルコで強力な基盤を築いているからと推測されます。

そうでなければ、エルドアン大統領のように専制君主であり、イスラム国家を目指すような動きを許すとは思えません。

(この記事は、文芸春秋スペシャル2015年夏号を参考に書いています)

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