終身雇用が崩壊なんてウソはデータを見れば一目瞭然!

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日本は昔から終身雇用ではなかった

日本企業の終身雇用制度が崩壊したという主張は、バブルが崩壊してしばらくしてから主張され続けるようになっている。

非正規雇用が正規雇用の3分の1を占めるようになった今、個人が会社にしがみつく時代は終わったと。

それにより、自分の価値を高めるべく、自分探しやら国家資格を取得したりと、自分がコモディティ化するのを防ごうとする人もいる。

では、終身雇用といっても、戦後から日本企業は終身雇用が当たり前だったのだろうか?

終身雇用と言うと、新卒で入った会社に定年まで勤め上げるという意味合いが強いが、これは実態と大きくかけ離れている。

氏原正治と藤田若雄という学者の研究(京浜工業地帯調査(1951年)によれば、20代は数回の転職を経て、ひとつの企業に定着するという傾向が明かされている。

また、小池和男氏によって、1970年代には、20代前半の年間転職率が20%以上であったと記されている(「日本の雇用システム」1994)。

そして、最近のニュースでは、「大学卒業後、3年で3割が転職」とあたかも問題が発生したかのような論調のものが多いが、若年層の転職は、昔も、今も日本社会の常識なのである

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終身雇用が崩壊していないのは、公的データを見れば判明する

終身雇用が崩壊なんてウソをまき散らす側が、どういう意図をもっているのかはここでは述べません。

ただ、さまざまなデータを用いれば、日本の長期雇用制度に変化がないことを証明できます。

信頼性の高い公的データのうち、厚生労働省の「賃金構造基本調査統計」を見ると面白いデータがあります。

1990年から2004年の間、男性の40代正社員に占める勤続年数15年以上の割合が66.3%から62.7%と微減。

一方、男性正社員50代で同じく勤続年数25年以上の割合は、43%から51.2%と増加しています。

終身雇用が崩壊しているならば、少なくとも、50代の長期雇用者の割合は減っていなければなりません。

そして、女性の場合はどうか。

1990年から2004年の間、女性の40代正社員に占める勤続年数15年以上の割合が26.2%から33.5%と増加。

一方、女性正社員50代で同じく勤続年数25年以上の割合は、7.7%から13.4%と増加しています。

男女雇用機会均等法の浸透に伴い、女性の雇用の長期化は着実に定着してきており、女性についても、終身雇用崩壊といった傾向は読み取れません。

厚生労働省の「賃金構造基本調査統計」では、男女のいずれも1980年代よりも2000年以降のほうが、勤続年数が長くなっています

また、ILOの「Employment stability in an age of flexibility」という調査によれば、日本の平均勤続年数は、1992年から2000年の間に0.7年も伸び、勤続年数10年以上の割合は0.3%(労働力人口に占める割合)増えています。

データで見る限り、長期雇用慣行は強化こそすれ、崩壊などまったくおこっていないことが分かります。

世界で見ると、長期勤続はほぼEU並

日本においては、「20代の頃は数回の転職を行うことがあるが、30代までにだいたい定年まで勤め上げる会社をみつけ、そこで骨をうずめる」傾向があると分かります。

では、世界でみると、日本の長期雇用はどれくらい珍しいのか。

厚生労働省の「賃金構造基本調査統計」などをベースに、各国の調査を見てみます。

正規・非正規を交えた雇用者全体の20年以上の勤続年数の人の割合がどうなっているのか。

日本 22%
アメリカ 9.4%
イギリス 10%
ドイツ 17%
フランス 23.5%
イタリア 23%
ベルギー 19.1%
オランダ 12.6%
デンマーク 8.1%
フィンランド 22.8%
ノルウェー 9.1%
オーストリア 16.2%
(数字は2001~2006年のどれかです(国によって異なる))

日本だけが突出して高いというものでもありません。

日本においては、現在、政府の主導ながら、女性や非正規の男性も長期雇用を広めるべく、模索している途中ともいえます。

つまり、10代、20代の方は別として、終身雇用が崩壊なんてウソに振り回されて、安易に転職しようというのはやめた方が良いということです。

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